泰国御仏像
戦後、海苔の漁場の取り合いになりもめ、和解まで7年間を要し、昭和32年9月の委員会の漁場の割り振り案の裁定で解決しました。 その時に仲裁した農林水産省漁業課長の長谷川善彦がタイ国大使館員時代に頂いた仏像を六条潟漁業組合に寄贈した。 五号堤防に奉安殿が建てられ祀られましたが、堤防改修時に奉安殿は撤去され、仏像は圓龍寺に託されました。

書籍「六条潟と西浜の歴史」75ページ より

▶ 写真

 ・5号堤防改修工事で建物ともに撤去され、仏像は圓龍寺に持ち込まれたままで現在に至る

 ・タイより渡来の豊穣仏と奉安殿

原画

カラー化



▶ 角石の碑に刻まれた文面

表面

本御仏像は泰国首都バンコックにある国民的信仰の最も厚いワットスタット寺院で九十九体の仏像が

作られた。其の内の1体が千九百五十六年に渡来したものである。


側面

昭和35年6月吉日之建

六条潟漁業組合


裏面

ワットスタット寺院では毎年方策を祈る行事が行はれ多数の国民が常に豊饒で長く平穏に栄へる事を

お祈りするものでいわゆる豊作の守護であります。



▶ 建立された経緯

 ・昭和21年に農家に対し自作農創設特別措置例が施行された

 ・昭和24年に漁業法が改正され、漁業権の再配分が決定した(農業の次は漁業の開放)

 ・昭和25年8月に全国に海区漁業調整委員会(当地区は三河地区海区漁業調整委員会)が発足した

 ・各漁業組合が海苔の漁場の取り合いになりもめる、和解まで7年間を要すことになる

 ・昭和32年9月の委員会の漁場の割り振り案の裁定で解決した

 ・このもめごとの仲裁で来豊したことがある農林水産省漁業課長の長谷川善彦(豊橋市出身)が円満解決を

  喜び、長谷川氏がタイ国大使館員時代に頂いた仏像を六条潟漁業組合に寄贈した

書籍:六条潟と西浜の歴史(昭和56年10月)より


▶ 仏像の由来など